短歌をあいうえお順に毎回5つずつ連載します。
今回はさ行。
囁きが耳を擽る君の聲 寄せては返す波に似てゐる
濕り氣を帶びた聲音で切々と僕をなじった君のナイフよ
すっきりと晴れた高みにすらすらと君と浮かんでゆきたい秋だ
背中越し傳はって來る熱があり我の想ひも傳はるかしら
空を向き吐ひた溜め息また君に見咎められてる午後の倦怠