カウンセリングで「最近、短歌はじめました。」と云ったところ、そのきっかけを訊かれて、「性同一性障害の本を探していて、たまたま短歌の本がヒットして」と答えたら、性同一性障害に飛びつく、飛びつく。
しかもカウンセラーの考えが余りに旧態依然としていて、可笑しくなった。

「どうして性同一障害について調べていたんですか」
「自分の問題だから。」
「どういうことですか?」
「男性になりたいなとは思わないけれど、自分が女性であると云うことには違和感があって、何というか中性になりたいんです。」

ここでカウンセラーが引っかかったようだ。
「でも、中性と云う性はありませんよね。」
わたしは少しびっくりした。
「ありませんか?」
カウンセラーはきっぱりと答える。
「ありませんね。普通男の人は女の人に惹かれて、女の人は男の人に惹かれるじゃありませんか。」
わたしは苦笑してしまった。

この人相当に考え方が古い、こんなんでカウンセラーやってて大丈夫なんだろうか。わたしのゲイの友達もカウンセリングを受けているけどこんなカウンセラーだったら話ができなんじゃないかな。そう思ったらちょっと愉しくなってきた。
そこで云ってみた。

「わたし、女の子とも付き合ったことありますよ。」

カウンセラーは相当にびっくりしたようだった。
カウンセリングのほとんどがその話に費やされて、かんじんのわたしの最近の悩みなどは時間切れ。