2008.09.01.
宮部みゆきを聴いている。
本当に力のある作家だ。
親友から葉書が来た。
作業療法士がアンパンマンの国では、アンパンマンの顔がいっぱい落ちてるんぢゃないか、と云っていた。
2008.09.02.
わたしの婚約者候補から、葉書が来た。デイジー図書で、「蒲生邸事件」を聴いている。
弟がウォークマンの曲を中島みゆきにした。レコード会社が同じで仲も良いらしい谷山浩子と、怖いと云うところは似ているけど、谷山浩子が少女性だとしたら、中島みゆきは女の情念と云う感じ。わたしには凄く怖い。やっぱりわたしは谷山浩子の方が善い。
2008.09.03.
弟がリハビリに来て、写真をパシャパシャ撮っていた。友達から古いモノクロカメラを貰ったのだ。ピントや露光も自分で合わせなくちゃならない。それで、現像した写真を見せて呉れた。わたしはモノクロの写真が好きらしい。どの写真も凄く善く見える。
デイジー図書で、「蒲生邸事件」を聴き終えた。
弟の誕生日がもうすぐなのでわたしは弟に、「誕生日プレゼントに、歌舞伎あげるよ。」と云った。「要らんよ、歌舞伎揚げとか。」わたしは吃驚した。「違うよ。歌舞伎揚げぢゃなくて、歌舞伎をあげるんよ。」弟は大仰に驚いてみせる。「嘘ー、まさか松竹とか買い取るん?」わたしは爆笑した。「すげえ、こんな身近におったんやん、興行界のドンが。」弟は尚も云っている。
2008.09.04.
デイジー図書で、宮部みゆきの「堪忍箱」を聴き終わった。
ニュースで、催眠商法のことをやっていた。そして、ニュースの最後で「先程、催眠商法のニュースで、催眠商法のテロップの文字が催眠療法となっていました。」と謝っていた。わたしは爆笑した。
「アトミック カフェ」と云う映画をDVDで、観た。ホロコーストや原爆はわたしにとって禍根なので、わたしは動悸がして来て、もうちょっとでデパスを貰うところだった。でも、安定剤を飲んで、映画を観ると云うのも莫迦げた話だと思って、飲まずに我慢した。
2008.09.05.
デイジー図書で、宮部みゆきの「地下街の雨」を聴き終わった。これで、デイジー図書は品切れ。
クリックのスイッチの調子が悪いので直せないかと、リハビリの先生に云ったら、作業療法士は「はんだ付けがしきらん。」と、理学療法士は「ダイソーに問い合わせてみらんと判らん。」と云う。わたしのスイッチは前の病院の作業療法士がダイソーの電気釦を改造してはんだ付けして、手作りして呉れたものだ。リハビリの先生達が出来ないと云うだろうことは予測していたので、わたしは、「前の病院の作業療法士に、直して貰う。」と云った。それを聞いた理学療法士は気分を害したようで、後でドライバーを持ってわたしの部屋に来て、調整して呉れた。そのお蔭か、一寸調子が良くなった気がする。ありがたや。
2008.09.06.
家族が誰も夕方まで、来なかった。それで、夕方までずっとパソコンをしていた。だから、手紙を二つ書き終えた。親友とわたしの精神科医に。
2008.09.07.
ロリータ服を持って来て貰った。友達にカットソーとドロワーズを買って貰ったので、それと併せて着ようと思って、ジャンパースカートを持って来て貰った。
その服は、大変着せにくいものだったので、弟は酷く不機嫌だった。ほら、手上げてとか、頭出して、とか云われて、凄く惨めな気分になった。だけど、これはそんな思いをしてでも着る価値のある服なのだ、と着せられてる間、耐えていた。
明日は、ばあちゃんの誕生日だ。弟とプレゼントを買いに行った。「何がいいと思う?」弟が訊く。わたしは、プレゼントを選ぶのが苦手だ。「トースター。それかエスプレッソマシーン。」それで、わたしはそんなことを云った。後ろで弟が露骨に鼻白んだ気配―弟はわたしの車椅子を押しているので、顔は見えない―がする。「そんなん飲まんやろ。大体、ばあちゃん、パン食べると?」わたしは、返答に窮する。
デイジー図書で、江國香織の「がらくた」を聴き終わった。
2008.09.08.
叔母さんがこの病院でヘルパーをしていて、お風呂の度に会う。それで訊かれた。「今日は何の日でしょう?」「ばあちゃんの誕生日。」「あったりー。ぢゃ、昨日は何の日だったでしょう?」「昨日? 判んない。」わたしは困った。叔母さんは莞爾として云う。「クリーナーの日。」
理学療法士におばあちゃんに何買ったか訊かれたので、「貴重品入れ。」と答えると、「貴重品か。俺、貴重品なんか持ってないからな。」と云う。「ま、強いて云うなら、彼女ぐらいかな、なんちゃって。」と理学療法士が笑った時、偶々通り掛かった患者のIさんが「入らん。」と云っていた。
デイジー図書で、江國香織の「神様のボート」と、浅田次郎編の「翳りゆく時間」と云うアンソロジーを聴き終わった。
2008.09.09.
最近、1つ心配なことがある。隣のおばあちゃんが死に逝きつつあるんぢゃないかと云うこと。日に日に弱っていくような気がする。
弟が嘔吐下痢症で大変らしい。
2008.09.10.
不意に、高校時代のことを思い出した。
O賀君―彼はいつも白檀の扇子を手にしていた。伏字にならない伏字も、わたし達の間で流行っていたことのひとつだ。―が通っている美容院には、チーフと主任とマネージャーとヘッドと店長がいて、「誰が偉いのか、さっぱり判らん。」と云う話。
2008.09.11.
言語聴覚士が、ウォークマンを付けて呉れる時、「今、何の曲を聴きようと?」と訊いたから、「ホワイトストライプス。」とわたしが答えたら、「はあ? パワーパフガールズ?」と。全然違う(爆笑)。
お風呂の直後、血圧を測ったら、90の44だった。
2008.09.12.
作業療法のアニヲタの実習生の実習が終わった。昨日までは、レポートが終わってなくて、火曜も来なくちゃいけないかも知れない、と云っていた。だけど、今日頑張って、午後に出来たらしい。無事に今日で終わりになった。でも、わたしは彼のことが好きだったので、一寸寂しい。
2008.09.13.
土日は、パソコンが沢山できるので、嬉しい。お父さんが、黒胡麻プリンとティラミスを買って来た。二人で半分子した。
2008.09.14.
「BROTHERS OF THE HEAD」と云う映画をずっと前に観たいと弟にリクエストしておいたのを、彼は覚えていたらしく、昨日借りて来て呉れた。それを今日、観た。それが三日も続くなんて、嬉しい。
2008.09.15.
今日は弟の誕生日だ。ばあちゃんと弟の誕生と日をまとめて祝った。門司港ホテルでランチをした。
門司港で、前に大宰府天満宮で見た、猿回しの早川花子がいた。