恋人の卒公を観に行った。ギリギリまでチラシデザインの作業をしていてとても疲れたので、お風呂に入って髪を洗ってさっぱりして時計を見ると、一時を回っている。
……うわ!?
二時開演で満席だから早めに来てね、と云うメールまできてたのに!
着物と道行きを着てゆくつもりだったのだけれど、そんなわけで、急遽、赤いハートアップリケのワンピースにベレー帽のロリィタに。時間がないからロリィタってどうよ、と思いながら(苦笑)
赤に白いハートのアップリケだから、サンタみたいにみんなには見えるらしいワンピース。これを着ると、わたしはえらく幼い。
まず高校は出ていないだろう。
下手すると中学生。
舞台は、まあともかく、そこで、懐かしい友人と再会した。
この春結婚したその子に、恋人と二人で選んでおいたプレゼントを渡す。
でもびっくりした。老けていたから。5年くらいはゆうにあってなかったら、すっかり社会に馴染んだ大人の女性になっていた。
あの頃はいちばんいい時期の娘、と云う感じだったのに。
「Kちゃん、変わったね。大人っぽくなった」
「カゲリちゃんは……髪伸びたね」
わたしは急に自分がどう見えているかを認識して、気恥ずかしくなってしまった。いつまでも大人になれないわたし。
中学生みたいな見た目。
中身だって中学生程度だ。
あの頃から何にも変わってない。
髪が伸びて女装がうまくなっただけで。
なんだか気恥ずかしくて、配偶者も居たのだけれど、まともに挨拶もできなかった。それこそ、ほんとに思春期真っ只中の中学生みたく。
わたしとKちゃんの差は大きい。
どちらも自分が選んだ道なのだから、いいのかもしれないけれど。
わたしは大人を拒否しつづけている。
だから、これからもきっとどんどん置いていかれるだろう、いろんなひとに。
社会に出るのが遅れれば遅れるほど、大人になるのが遅くなるみたい。
社会に出れないわたし。
生きる覚悟が決まらないわたし。
しばらく、乙女でいよう。
大人にはなれそうもない。
Kちゃんとわたしと恋人。あの頃、三人とも夢を持った娘だった。
Kちゃんは大人になっていった。わたしは少女になっていった。
この差は大きい。
だけど、恋人はその中間くらいに居てくれて、ありがたい。
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