目が覚めると留守電に見知らぬ市外局番からのメッセージが残っていた。
半分寝ぼけたまま、何だろう、と再生ボタンを押す。
「こちら八王子にあります検察局のS~と云う者ですが、
横溝まことさんが交通事故に遭われまして、
その件で
怪我の状況とか
被害者のお気持ちとかを
伺いたくお電話しました。お手数ですが、電話をください。番号は04…(プチッ)」
なんだこれは…思考停止数秒…もう一度繰り返す。
えーと…。
えーと…。
!!??
交通事故とか怖いんですけど(半泣き)!!(←でも反応遅し)
横溝まことさんってだれですか~?(半泣き)
遭われまして、という云い方だと、横溝さんは被害者と見るべきだろう。
しかし、その後の一文が謎だ。Sさんは、怪我の状況や被害者のお気持ちをわたしに訊きたがっているのだ。
わたし、交通事故に巻き込まれたの?!
青天の霹靂とはこのことである。
被害者のお気持ちも何も、
そもそも被害者になった覚えがないのだ。
いきなりの被害者宣告である。
わたしは激しく混乱した。
何がどうなって一体どういうわけで、わたしは自分すら気付かないうちに交通事故に遭ってしまったのだろう…。
(続く)
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