ロリィタ服活用のためと、友人に誘われたため、ビックサイト某イベントに。
クラシカルなドレスの膨らんだスカート、別珍のボンネットまで被ったフランス人形みたいな格好。
ロリィタさんは大勢いたが、ほとんど黒か、黒白のメイド系で、全身ピンクの超甘口ロリのわたしは必然的に目立ってしまい、いろいろなひとに声を掛けられた。「すごい可愛いですね」はともかく、「そのボンネット、どこのものですか?」とか「ドレス、もしかして~(ブランド名?)ですか?」とか、こちらが手練のロリィタさんみたく訊かれるとどうしよう~となる。仲間意識を感じ、有り難くも後ろめたくなってしまう。
わたしは装うのが上手い。
だから身も心もこの上ないロリィタに見えるのも無理はない。でも実際のところ、ちょっと手を出してみただけの初心者なのだ。
童顔と細い声はロリィタに合うらしく、「こんなかわいいロリィタさんに会えて幸せです♪」とか「写真撮ってもいいですか?」とか云われた。
その度に、こうやって世間を欺く以上、もうちょっと勉強しなければ、と心に誓うのだった。ロリィタの精神とか心意気とか。
そんな中、この後お茶でもいかがですか?と声を掛けてきた長身の黒ロリさんがいた。ロリィタさんに知り合いはいないし、いい機会なのでご一緒することにし、お茶して、ゴスロリ服の宝庫・新宿マルイONEで服を見て、夕食をご馳走になり、送ってもらった。
その間ずっとわたしを悩ませていたのは相手の性別。最初は気にも留めてなかったのだが、髭の処理がどうこうとか、親に見付かったら家族会議ものだとか、そんな話が言葉の端々に出てくるうち、もしかしてこのお姉さんは男のひと?と気がつく。が、わたしは他人の年齢や性別を見極めることが不得手だ。確信に触れられないまま時間が過ぎてゆく。結局、ロリィタするのが好きな男のひとで、だけど女の子が好きで、わたしのことを非常に気に入った、というのが真相だったのだけど。
(つづく)
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