自分でも気付かないうちに、疵を負っていることが多い。
わたしにとって人生は、透明な茨の道みたい。
刺も透明なら疵も透明。
ふとした痛みでやっと気付く。
本を買ってくれた友人がいた。
最初は買ってくれただけで嬉しかったのだけど、いつまで経っても読んでくれた気配はない。
もしかして付き合いで買ってくれたのかな。
そんな暗い疑念が巻き起こる。
読んでくれた?そう訊く勇気すら持てなくなる。
何がつらいって、自分のわがままさ。
付き合い買わせたかもしれないことよりも、付き合いで買ってくれるようなひとに、付き合いだけで読みもしない人に売ってしまったかもしれないという事実のほうに打ちのめされ、動けなくなる。
大切に作った宝物を自分で粗末に扱ってしまったようで。
今日、やっと勇気を出して訊いてみた。
友人はこう言ってくれた。
「まだ読んでないけど、大切に読みたいからで、付き合いでなんか買わないよ」
邪推でした。ごめんなさい。
その拍子に涙が零れた。
安心して。
大切な大切なわたしの本をちゃんと心あるひとの元に届けられてるんだ、わたし。
そんな安心感と今までの心配の分と。
涙が止まらない。
ありがとう。
わたしの本を大切に買ってくれたひとたち。
ありがとう。
ありがとう。
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