今日のおやつはみたらし団子だった。
わたしは結構後先を考えない。思い付くとすぐやってみたくなって行動してしまう。
夕食の後で部屋にいてベッドに上がるのを待っていた。待ちくたびれて退屈だったので散歩に行こうと思い立った。
いつも車で外に連れて行ってもらうが、実際に生身で行ったことはない。外は、どんな風になっているのだろう。
わたしは、すっかり楽しくなって、自動ドアから表に出た。外は真っ暗で空気がひんやりと気持ちがいい。施設の敷地から出てみよう。結構距離があって途中で引き返そうと思った。わたしは電動車椅子で坂を登って下った。坂を下ると道路に出られる。
わたしは道路に出たところでユーターンをした。そして坂を引き返していたらすれ違った車が不審そうに停った。わたしは気にせず坂を登った。平らな道になったところで、さっきの車が引き返してきた。
ナースの偉い人が駆け下りてきてわたしを抱きしめる。
「もう、何処いっとん?寒いのに。」
其處へ、別のナースと夜勤の奥村さんが走って来た。ナースが云う。
「もう、看護婦さんを殺す気ね。」小突かれた。
そこで、初めて大騷ぎになっていることを知る。
みんなに伴われて施設に戻ると「いました。」とか云つて、みんなで探していた模樣。
わたしとしては、ちよっと散歩するだけのつもりだったのでびっくりだけど。