15時過ぎ、お父さんが仕事の合間に来てくれた。救われた。

160歳くらいの入所者のおじさんが、便をしたいと云ってトイレに向かっていたらしい。だけど、この人は車椅子を漕ぐのが凄く遅い。タイヤを回した後に手を離さないので戻ってしまうのだ。ひいき目に見ても、50m進んで30m戻ると云う感じ。

それで林原―が「林原―が、早く行かんな。漏れるよ。もうおむつにしたら?」などとからかっていたらしいのだけど、おじさんは頑なに「いや、今行きようけ。まだ間に合うもんね。まだ間に合うもんね。でもわたし車椅子漕ぐの遅いんよ。」と云っていたらしい。
それでも、何とかトイレに辿りついたところ、やっぱりおむつに出ていたそうだ。
林原ーは「だけ、云ったやん。Mさんのウソツキ」などと云いながら、トイレをさせたことろちょっとしか出なかったので「まだ出るんやないと? もうちょっと座っときと云ったのだけど、おじさんは頑なに「お尻がいたいのが判らんのかね。もう絶対出らん。」と帰って云ったそうだ。

そして、例のスローペースでやっと部屋に辿りつくか着かないかと云う内に引き返してきた。
林原―がどうしたんと云うと、おじさんは人こと「出たごとある。」
また便器に座らせて「だけ云ったやん」などと云っていたら、「いや出らんと思ったんやけどね。」と云っていたおじさんが突然切れ出したらしい。
「もういい。そんなんやったら、ここの偉い人に云いつけてやる。」林原ーは「云っていいよ。って云うか、むしろ云ってください。」と答えたら、おじさんヒートアップ。
「もう警察に云いつけてやる。」と云ったそうだ。

林原ーは「一体警察になんて云うつもりなんかねえ。」と笑っていた。