2008.01.01.いつもの様に、2007と書こうとして、年が明けたことを知る。初詣でに連れて行ってもらった。だけど、お父さんはまだ風邪具合が良くないみたいだった。境で他二つの神社にもお参りして、三社参り完了。御御籤は、吉だった。
2008.01.02.点字図書館でデイジー図書と云うのを借りている。所謂音訳図書。その目録を読んでもらった。次に借りる本を決めたのだ。でも、題名だけぢゃ、よくわからない。お父さんは、熱が8度あるそうで、来なかった。
2008.01.03.お母さんが、ミスドを買って来て、みんなでそれを食べた。オールドファッションが云えないと云って、お母さんに散々揶揄われた。木曜日は、爪切りの日だ。前の病院では、爪は切って貰えなかった。初めの頃は歯磨きもして貰えなかった。でも、人に爪を切って貰うのは、いつまで経っても慣れない。お父さんは、今年は、地球温暖化に取り組むそうだ。年賀状に書いていた。
2008.01.04.お昼ご飯を待っていた時、車椅子に座っていたんだけど、ガツンと前に倒れて、テーブルに額をしこたまぶっつけた。膝にクッションを置いているから、柔らかく受け止めて貰えるかと思ったが、ガツンと凄い音がした。血が出て、バンドエイドを貼って貰った。腕白小僧みたい、と弟に笑われた。お母さんの掛かりつけの(掛かりつけと云う云い方が正しいかわからないが)美容室の人が、お見舞いに来て呉れた。プリンとパジャマを貰った。
2008.01.05.道化たくない時もある。心の中でずっと、東京の病院で書いたコトバを呟いていた。「放置。絶え間ない放置がわたしの日常。誰も訪う者の居ないこの部屋で、じっとじっとしてゐる。」
2008.01.06.下関の海響館に行った。海豚と海驢のショーを見た。水が繋ったけれど、凄く面白かった。他にも、亀やエイや水母や河豚が居た。わたしは障害者手帳 で半額。弟は介助者でただだった。
2008.01.07.わたしの担当の看護士さんが今日久しぶりに来た。元旦からずっと熱発してたそうだ。その人に、この間の出来事を、自分でもそれと判るくらい、嬉々として報告した。わたしはこのひとが好きなんだな、と思う。海響館に弟とお父さんと行った云う話をしたら、「なんとか浄瑠璃のお詫びやないん?」と云っていた。前、お父さんと弟だけ、人形浄瑠璃に行ったことがあったのだ。弟が髪を洗って呉れた。
2008.01.08.前に茨城からお見舞いに来てくれた友達が呉れた、アロマキャンドルに火を灯した。スプリンクラーが作動する、と弟が云うので、態々外に出て。そしたら、お父さんが来た。勤めている学校で、鏡開きをしたらしい。お雑煮と赤飯をしたそうで、赤飯を持って来て呉れた。可笑しな話が一つあって、お父さんが、やっぱり保湿は大事だろう、と考えて、お風呂上りにベビーローションをつけていたそうだ。何日も経って、そう云えば、これ、何に効くのかな、と思ってよく見た所、日焼け止めだったらしい。
2008.01.09.リハビリの人は、週一回休む。それで、代わりの人が来るのだが、言語の代わりの人だけ、いつも来ない。今日も来なかった。 弟が今日、明日と来ない。出掛けるらしい。「どこに行くの?」と訊いたら、「秘密。」と云われた。
2008.01.10.「善哉が食べたい。」とわたしが云い、「2階に行ってみようか。」とお父さんが云った。2階には自販機がある。だけど、善哉はなくて、代わりに小豆オレという変な飲み物を飲んだ。弟が何処に行っているか、判ったらしい。でも、お父さんは教えて呉れなかった。
2008.01.11.昨日の小豆オレの話を言語聴覚士にしたら、「お主ら、二人とも世間知らずやな。」と笑われた。「自販機に善哉はなかろうもん。あっても汁子やろう。」と。「善哉以外やったら何したい?」と訊かれて、「側転。」と答えると、「その前にまず立たんと。」と云われた。弟は、浅草に行ってそうだ。前の病院で、食事のときに、看護士さんに「これはなあに?」と訊かれて、「ポテトサラダ。」と答えると、「えー、ポテトサラダ? これはおからよ。」と云われた。今日はポテトサラダだと思ったら、大根だった。お父さんが髪を洗ってくれた。担当の看護士さんに、わたしが書いた小説をあげた。「怖かった。夜勤の時、読む物ぢゃないばい、あれ。」と云われた。「でも、相当面白かった。ぶっちゃけ、小説とか、読まんのよ。でもあれはなんか面白かった。」と。
2008.01.12.今日から三連休だ。三連休の間は、みんなは奈良に行っていて、いない。みんなと云うのは、お母さんとお父さんと弟のこと。弟が奈良検定を受けに行ったのだ。お父さん達はそれについていったのだ。奈良検定は正式名称を「奈良まほろばソムリエ検定」と云う。変なの。ご飯の時、ターンテーブルに柱が立って、自分で回せるようになった。それが相当愉しい。
2008.01.13.デイジー図書で泉鏡花を聴いている。だけど、地の文が全部文語調なのだ。善い頭の体操になる。いつもは、夕ご飯の途中から弟がいるのだけど、最近いないので、自分で電動車椅子を運転して、歯磨きして呉れる人をさがす。今のところ、この方法はうまくいっている。ぶろぐ 
2008.01.14.理学療法で、斜面台と云うのに乗っている。ベッドが立つのだ。それで今日、足のベルトを止め忘れて、ガクンと落ち掛かった。ヒヤリハットの瞬間だった。小動物みたいで可愛いワーカーさんが、「今日、家族、お土産持って来て呉れるんやないん ?」と云う。「あれ、買って来て呉れるんやないん? シナモンの三角形のお菓子。八橋やっけ?」と。わたしは八橋は、薄荷だと思っていたから、吃驚した。それとも、薄荷とシナモンは同じものなのだろうか。そう訊くと、作業療法士は、首を振った。 「違いますよ、ミントと薄荷は同じ物だけど、シナモンは木の根っこ。ニッケの木。」わたしは、ニッケは薄荷だと思っていたので、驚いた。ソーシャルワーカーが来て、いろいろ話をした。その中で、家に帰りたい気持ちはあるかと訊かれた。わたしが「凄くある。」 と答えると、「お手伝いしますよ。不安な所は一つずつ潰していきましょう。」と云われた。泣きそうになった。
2008.01.15.わたしは、綱渡りのような状態だった。不安定でいつも動悸がしていた。今はあのような不安定さはない。わたしは案外こうなった方が幸せなのかも知れない。ひとつには、薬をきちんと飲んでいると云うのもあるのだろう。帰って来た弟が、あじゃり餅と云うのを呉れた。それで、「みんな、酷いね。人でなしやねっち云われんかった?」と云っていた。