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ヴィスコンティ生誕100年祭

10月7日~11月2日
新宿テアトルタイムズスクエアにて

○山猫・完全復元版
○ルートヴィヒ・完全復元版
○イノセント・ニュープリント

が上映されるらしいです。

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という情報を見かけた。
何でもっとやらないんだというのが個人的な感想だけど、まあこの三作品を持ってくるセンスもわからなくないと思うのでよしとしよう、とか思っていたり(苦笑)。

たぶん全部行くけど(苦笑)、あえてお勧めするなら…そうだなイノセントのニュープリントというのが気になるところで、これを見るために足を運ぶ価値があるかもしれない。
何がニューなんだろう。
モザイクを外してあるんぢゃないかという話がコミュニティではでてて、なるほどなとも思う。モザイクが外してあるというだけでもお勧めする価値はあるかも(苦笑)。

個人的にはルートヴィヒ完全復元版がまたスクリーンで見れるだけでももうすごくうれしいけれど(苦笑)。はじめてみたとき、立ち見でみても何にも気にならなかった大好き映画なので。
映画で立ち見で休憩入れて5時間、とか書くと、ばかみたいかもしれないけど、それでももったいないとかは思わない。前売り持ってて整理券とっても立ち見だったんだから、みんなの愛に負けたぜ、みたいな。入れてもらえただけでありがたい、それに、実際かなり年配の方ばっかりしかいなくて、小娘はわたしひとりだったので。
でも、このルートヴィヒという映画はなかなかひとにお勧めできない。ビデオで見るとかいう話になっても、いやさすがにそれは長すぎて…みたいなかんじで敬遠されちゃうのだ。この長さがなきゃこの映画の本当の面白さは伝わらないとわたしは思うけど、なかなかみんな忙しいのだ、たぶん。

昔も今もわたしの周りにいる人たちは、愉しむためなら労は惜しまないみたいな感じで、わたしもそう云う遊び方に慣れすぎているので、劇団の人とかから見るとだいぶおかしなことをしちゃうのだけど、それはもうしょうがないと思う。
5時間の映画が長いと思わないわたしは、たとえば一日歌舞伎を見てても平気なわけで、幕間に外にでてもいくらでも遊べるし、逆に歌舞伎座の中でもいくらでも遊べるし、どんな席でも楽しめるし、何回行っても愉しい。

わたしの仲間内の遊びかたって云うのはたとえばこんな感じだ。
映画上映会をやろう。
何を見るかの論議。提案者のもってきたテーマに即して何本もの作品が挙がって、最終的に三本くらいに絞られる。
ビデオが手に入るかみたいな問題も起こってくるので、誰が持ってるとか、ビデオ屋にあるみたいな情報も飛び交って、それと同時にこの映画を見るならこの映画も加えたほうがよりテーマがくっきりするとか、この辺の議論だけでもかなり面白い。

たとえば、せっかくヴィスコンティな話題なので、仲間内で「ベニスに死す」を見たときなら、
エロスとタナトスみたいな問題で映画を選ぶことになって、
結局「ベニスに死す」と「太陽と月に背いて」が同時上映された。あとの一本はもうちょっと現代の作品だったけど、此処で候補に挙がった作品ならいくらでもわかるけど、そういう上映会は無数にあったので、このときの作品がこれ、というかんじで限定はできない。きっと「GO FISH」あたりを見たいという声が多くて、でも手に入れられなくて、「ブエノスアイレス」とかになったんだったかな…と思うのだけど。

で、会場の選定。
このときは100インチのプロジェクターというのが優先されて、みんなですごい遠くのメンバーの家に押しかけた。ちょっとしたホームシアターになっていて、その日はみんなで見るためにその家の一番広いスペースにプロジェクターを移動したりして、ステレオシステムも組みなおして、上映会をやった。(足りない機材とかももちろん持ち寄る。)

食料は当然持ち寄り。人数もいるので、ひとりひと鍋でいいだろうみたいな感じになるのだけど、重ならないように、でも趣向を凝らさなければいけないのでけっこう大変。ドレスコードもけっこう大変。映画の選び方でもそうだけど、どんな立場のどんな人も不愉快な思いをしなくて、しかも愉しいことは精一杯な感じなので、ハッキリ云ってめちゃめちゃ大変なのだ。
上映作品とか、企画のコンセプトにあわせて、しかも自分らしくみたいなかんじで趣向を凝らして、自分も愉しくみんなも愉しいみたいな服装。たとえば、リクルートスーツなんて着て行こうものなら、どうしたのと心配されるか、意識が低すぎるのかわざとそういう格好で問題提起をしているのかなんて議論が巻き起こって下手なことを答えたら半殺しの目にあうみたいな苛酷な環境(苦笑)。
なので、ドレスコードがちゃんと出るときはまだいいのだけど、暗黙の諒解でみたいなときなんかはすごい大変だった。

まあドレスコードが出てもすごい大変なんだけど(苦笑)。パーティをします。仮装してきてください。テーマはTSです(もしくはTV,TGなど広範囲に捕らえてください)。とかなので(苦笑)。
何をどうしたら、仮装とパーティとテーマをこなしつつ、みんなで愉しめるのかという。これはけっこう難しい。
想像してみればすぐにわかると思うけど。
それはなんなのかと聞かれたときに、「宝塚の娘役です」みたいなことだと、おおーなるほどーみたいな世界なのだ。もちろん、わかりやすく見ても、「二重に抑圧されている(女性社会にいながらその花形はあくまでだ男役のスターなのでその添え物として軽んじられているにもかかわらず、男役が寄り男に見えるように過剰に<女性らしく>振舞わなければならない)」ので、たしかにテーマに沿っているからだ。もっと突っ込んでいくとそれこそ無数に論じ合えるわけで、そういう材料は豊富に持っておかなければならないし、理解しあうためとか好きなものをわかってもらうためには勉強会を開いたりするようなかんじ。

そんなわけなので、上映後は徹底討論なのだけど(苦笑)。
そんな厳しい環境にありつつも、100インチの大画面でいい音に包まれるように、「ベニスに死す」を見た感動とかは忘れがたいものがあるのです。
それまでにわたしはその作品を何度も見ているし、映画館で見たこともあるし、大学の授業でもいくらでも見てるし、ビデオだって持ってるし、ここで音楽がこうなるみたいなことは覚えているくらい好き。それでもその上映会でまた発見することもある