さっき自分を久しぶりに見たら目の下に隈があってちょっと痛々しかった。外に出る時はメイクしたほうがいいかも、と思ったのだけど、ファンデーションってあったかしらみたいな。
この間、いろはさんとファミレスオールした時に、朝になって店を出る際、いろはさんが「ちょっと化粧直しして来る」と立ち上がった。
わたしはすごくびっくりして、ちょっときょとんとしながら「偉いね」と応じたら、「まあ一応、エチケットかなと思うし」と返された。
エチケット…。
ますますびっくりして、
「そうか…偉いね。わたしはダメダメだ」
と呟いたわたしに
「カゲリちゃんも化粧直しすれば」
といろはさん。
「いや、直すも何も。これから帰るだけだし。てゆうかそもそも直しようが…」
「えっ、口紅引いてないの」
「えっ、何もしてないけど」
「そうなんだ~、引いてると思ってた~」
「(そっか口紅は「引く」っていうんだ…)いや、てゆうかファンデーションすら持ってないし」
「良かったら貸すよ」
「いや、大丈夫。ありがとう」
びっくりし通しだった。
なぜファンデーションをいまさら?
いろはさんが化粧直しに行っている間に、考えてわかった。
いろはさんはわたしがファンデーションを持って来てないだけだと解釈したのかもしれない。
そもそも所有していないとは思わなかったのだろう。
そうか、わたしがファンデーションくらいは塗っていると思ったのかも。だから化粧直しのために貸してくれようとしたのかも。
なんか、カルチャーショックだった。
化粧直し以前に目元に紅を引いて見た以外、完全ノーメイクですけど、みたいな(笑)。
化粧直しがエチケットなら、ノーメイクって大変なるエチケット違反に当たるのかな。
わたしはいろはさんがメイクをしていることすらそれまで意識していなかった。
帰り、駅でバイバイしたときに、いろはさんの唇がさっきよりピンクでてろてろ光っていることに初めて気付いた。
…メイク直しってこういうことなんだ~。
彼女がトイレから帰って着た段階で気付けよ、自分!と後で思ったけど(笑)。それくらいわたしはメイクに疎いというわけだ。
最近弟が何かにつけ、近頃女の人のメイクが濃いと騒いでいる。テレビを見てる時とか、街ですれ違った女の人とか、濃くない? 流行なのかな?と云って来る。のだけど、全然わたしにはわからない。今の人メイクしてた?くらいのレベル。君、よく見てるね…と思う。
外界に興味がなさすぎるのも考え物だ。
そういえばファッション雑誌とかって、ここ一年くらいよんでない気がする。メイクの流行も何も、わからないはずだよ。
そんなわたしも、舞台に立つ時だけはメイクしてます。
舞台メイクの練習のためにもふだんからちょっとはメイクしなきゃな。
でもメイクしなきゃ表に出れないとかにはなりたくないし(苦笑)。…まあだけどそんな劇的に美人に変身できるメイク術をわたしが持ってるわけないから大丈夫かな(苦笑)。