20060118002416
手摺にしがみつく
階段を下りてあとひとつ電車に乗れば
彼が待ってる
だからわたしは動けない
まだだめ
こんな揺れた心で逢ったら
甘えてしまう
すがりついてしまう
だから
手摺を握り締めて
深呼吸を三回
早く
早く
大丈夫にならなくちゃ
早く
だって彼が待ってる
でもまだだめ
わたしは
揺らいで
脆くて
支えを求めてる
まだだめ
彼の胸に飛び込みそうだから
わたしはそれを越えてはいけない
その一線は
越えてはいけない
「ふたり」で居続けるため
安易に「ひとつ」に溺れないため
わたしはまだ帰れない
手摺にしがみつく
あとひとつ
あとひとつ電車に乗れば
彼が待ってる
だけど
わたしはそれを越えてはいけない
***
終電間近の渋谷駅にて。
電車に乗れない帰り道。