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癒しのレイチ


日曜日が癒しの時間になっている。この日だけ講師が違い、レイチという肉体訓練(ロシアの気功を取り入れたような発声法)をやる。これが今のわたしの癒し。
毎回三つ宿題が出る上に、それを必ずみんなの前でやって見せなくてはならないと云う過酷な授業なのだけど、それでも癒し。

「いま・ここ」に集中する感覚、躰とイメージと動きとがすべてひとつになって、それに声を乗せてゆく悦び。

講師もすごく好き。目が合うだけで、へひゃら、と蕩けてしまう(笑)。
なんだろう、彼が纏っている空気が好き。レイチに関してはとても厳しくて容赦もないひとだけど、だけど広さもちゃんとある。

今日も、授業が終わって興奮冷めやらないわたしは、上機嫌で稽古場の桜の樹に気のお裾分けをしていた。
二月の初旬から「ワーニャ伯父さん」を上演するため、劇場でもある稽古場には早くも舞台装置が出来上がっていて、周りをぐるりと桜の樹で囲まれ、あたかもロシアの林のようになっているのだ。桜の樹は本物だけどもちろん切られており、天井から吊られたものがカーペットの床にガムテで固定されているだけだ。
そのうちの一本にわたしは真剣に気を送っていた。数ミリ離した空中を撫でながら、樹のシルエットを辿ってゆく。根元から幹を上ってゆき、枝を辿り、また下りて幹に戻り、次の枝へ。丁寧に丁寧に、愛と祈りを込めて。
その間、彼はずっとそれをにこにこと見守ってくれた。
ようやく気を与え終わって、満足して顔を上げると、同じように嬉しそうな顔にぶつかる。
「生き返らないかなと思って」
とちょっと照れたわたしに彼は笑い掛ける。
「今度来たら青い芽が出てるかもしれない」
そして二人で、
「この一本だけね」
と云ってまた笑う。
そうして顔を見合わせてただへらへらしていた。

それだけなのだ。
だけどそういう時間がたまらなく嬉しい。しあわせ。
今こうして思い起こしても、涙が浮かんでくるほど…。

そのレイチがなんと来週で最終回なのだ。
再来週からは、日曜日も普通の芝居の授業になる。
今から切ない。いやだなぁ…。
…なんて、云っちゃだめなんだろうけど、本来。芝居の勉強をしている身としては。
 
 

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