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破綻に目を向けろ2


わたしがいけなかったのです。電話の途中で気が付きました。
自分が幸せでもないのに、幸せのおすそ分けなんて出来ないのです。
ウガミ屋さんも云っていました。「自分の力も使いこなせないうちは、安易に人のことに手を出すな」と。あれはこういうことだったんだなと、ひしひしと実感。
まずは自分を助けることに専念しなければならないのです。

母親に家に着いた報告がてら電話をして縋ってみました。
「アトムが~…抜け出せないの」
と云う娘に、母は一言。

「つ、く、り、ば、な、し!」

そう云えばそうだな、と思うと同時に、ひどく驚きました。

この人は大人なんだな、と。
ちゃんと経験を積んで、そうして生きてきた大人なんだ。
そうぢゃなかったら、ここまで生きのびてきたはずはないんだ。
わたしがいま危機に瀕しているように生きのびられずに終わってるはずなんだ。
と、コペルニクス的展開。

わたしは母を、少女みたいにか弱きひとだ、わたしが守ってやらなければ、と昔から思っていて、自分が辛い時でも愚痴を聞いてあげようと必死になったりしていた、あれはなんだったのだろう、とそんな風に思いました。
幼いわたしにあれだけの使命感を植え付けたものはなんだったのだろう、なんでわたしはこんな風に思うようになっていったのだろう、とも不思議に思いました。

だって、

こんなに強い大人なんぢゃん、この人は…
わたしが助ける必要なんてなく、
むしろわたしを助けるくらいの力は持っているのかもしれない、
わたしがちゃんと縋り付くことさえできれば。
と、コペルニクス的展開。

具合の悪さは相変わらずながら、どこかが楽になった気がしました。

そのまま気を失ってしまおうかとも一瞬思いましたが、さっきの電話の教訓を思い出し、嘔吐感と闘いながら、それでも自分を助けてあげることにしました。
顔を洗ってさっぱりして、数週間前に使った茶碗を洗いました。

「破綻している破綻している破綻している」

呪文のように呟きながら、それから窓を開けて空気を入れ替えながら、ヨーグルトと鯖の味噌煮で食事をして、増やされたお薬を飲みました。
調子は相変わらずで、でもこれでようやくベッドに倒れこめると云うかすかな安堵感が押し寄せてきて、わたしに足りなかったのはこれだと思いました。

(3につづく)
 
 

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