しそう、まじで。
知り合いの人と一緒だった。もともとこの仕事を紹介してくれたわたしが元いた劇団の講師。
少し気が楽なんぢゃない? みんなにそう云われたが、その実とんでもなかった。
過剰な師匠気取りに辟易とする。
ふたりきりになるととてもやさしいのに、この変わり様は何なのだろう。あれは嘘だったのだろうか。それともこちらが嘘なのか。
ここでは単なる同僚のはずなのに、指示したり、注意したり。それが他の責任者の指示と食い違うものだから、一々怒られて凄く辛かった。あまりのことに、めったに口を聞かない運転手さんまでが「二つ一気にはできないから仕方ないっすよ」と慰めてくれ、余計に泣きそうになる。
もし日本語が分からない人が聞いていたら、きっと分かったと思う。アナウンスにこもったどうしようもない哀愁が。ほんとのことを云うと、泣きかけながらやっていた。
ものすごく綺麗な声なんだからテンション高くやらなきゃ勿体ないよ、そんなことを云われたが、それどころではなかった。泣き出さないようにするだけで必死だったし、歌に縋りそうになるのを押さえるだけで精一杯だった。
こころつよくなりたい。
泣きそうにならずに、きちんとその都度反論できれば良かったのだ、きっと。
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