這うようにして美容院に打ち合わせに行く。着物と袴を選び髪形とメイクの方向性を決める。ところで費用だが、しめて八万以上になるそうだ。なんてことだろう! ウップス、心の中でひとりごちる。
赤い口紅を使うかどうかで美容師さんと軽く揉める。わたしは美容室でしてもらうフォーマルなメイクが苦手だ。みんな同じになる。華やかなのに無個性なよそよそしい使い古された「女らしい」顔。それよりも。
「ハレの日の祭り化粧のように目許に朱を入れたりしたいんです。」
わたしの言葉に美容師さんは困り果てて黙り込む。

それから家賃用のお金をおろす。この学校の構造に不満があるとすれば、ATMコーナーのとなりが書籍部と画材屋さんだということだ。おかげで余計な散財をしてしまう。
自閉症関連と社会学と精神世界の本を買い込む。軽く一万を超え、家賃を払いに行けなくなってしまった。仕方がないので学内の喫茶に行き、自閉症の世界に没頭する。

週末迄には帰省しようと図書館に行って鈍行のルートを調べる。大変な道程だ。
遺失物掲示を確認したがMOはなく、どっと落ち込んで外に出ると傘がなくなっていた。