押し寄せてきた現実の波に吐息すら吐けなくなって、まんじりともできずに夜を明かす。
いろんな思考がぐるぐる襲ってきて、とめどなくて、身動きすらできずに。
疲れ果てようやく眠りについたのは、もう朝の10時を過ぎた頃で、そのまま眠って午後に突入。
ようやく起きてきたわたしを見て、何も知らないおばが呆れたように呟く。
「そんなんでよく生きていけるね。」

わたしにはもう、説明するだけの力さえ残ってはいない。
その場所にどうしても居たたまれなくて、けれど動くこともできなくて、表面上の凪いだ状態とは裏腹に、心だけどこまでも落ちてゆく。
ここにいる家族が、わたしのほんとうの家族だったら、今この瞬間どんなに救われるだろう・・・。
すべての不安や追い詰められた心境を、ほんの少しでも伝えることができるかもしれないのに。
けれど、この「家族」の視点は、いつもわたしを追い詰める。

この家族はただでさえ、「大学生」と云う身分に否定的だ。
自分たちが高卒で叩き上げでやってきたという自負とそれとは裏腹なコンプレックスとがあいまって、「大学生=口ばっかりで何も考えてないお気楽な存在、社会では使えない存在」と見たがっているような感じがする。
わたしを一個人としてではなく、「お気楽な大学生」としてしか見ないのだ。

大学生は確かに社会経験も少なく、社会的に使えるとはいえない。わたしもそのことは身に染みている。でもそれだけぢゃないはずだ。
だけど、この家では、そういう認識のまま物事が進んでゆく。
わたしのすべての言動がそういう固定的な大学生スキーマを強化する方向にのみ使われる。
ちょっと難しい議論をしようものなら「自分で稼ぐこともできないくせに、口ばっかりはさすがに達者だ」ということになり、たとえ勉強会で遅くなっていようとも帰りが遅くなれば「さすが大学生、遊び呆けてばかりだ」と云うことになる。

この人たちと、一個人として付き合えるようになる日は来るのだろうか。
けっして諦めてはいけない。投げやりになってもいけない。
けれども。。