レポート用にテンペストを読み込んでいる。
テンペストは魔術や妖精大活躍のシェークスピア晩年の作品。
美しい幻に彩られた許しの物語に見える。一見。
しかし、植民地主義的な観点から作品を読んでいくと美しい物語は途端にその姿を変える。
主役のプロスペローがとんでもない悪役に見えてくるから不思議だ。
この時期のヨーロッパ全体がそうであったように、自分たちの文明を上位とし、植民地主義を正当化するようなある意味野蛮な考え方。
作品全体にも台詞の端々にもいちいち鼻につく。
文学がその時代の空気から決して独立して存在するわけではないことがよくわかる。
でも、時代の空気や固定的な価値観から自由であろうとする姿勢は失ってはならないと思う。
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