母と卒業した後の話をした。
わたしは今の家がとても気に入っていてできれば住み続けていたい。
だけどとても良いところで、家賃がかなり高い。
今は仕送りがあるから何とかなっているけれど、
もし学校を卒業して、独りで生きていかなければならなくなったら、
そう考える度に、暗くなっていた。
きっと引越しをしなければならない。
そう云ったわたしに、母が云ってくれた。
「なんで?そのために私達が居るんぢゃない。お金のためだけに働くと生活に疲れてしまう。そんなことしなくていいのよ。」
涙が溢れた。
「それに文筆活動とかだったらどこでもできるでしょ? 大丈夫よ。」
昔からそうなのだけど、母はわたしの夢に関しては一番の理解者だ。
わたしの才能を何よりも信じてくれている。
ああ、こんなにも信じてくれている。
涙が止まらなかった。
それから思った。
こんなところに逃げ込んでいる場合ぢゃない。
わたしはなにをやっていたんだろう。
痛烈にそう思った。
ビーズを買ったり、絵を描いたり。
それが創作活動と呼べるものか。
そんなのは所詮、気を紛らわしているだけの慰みでしかない。
わたしは書くべきだし、読むべきなのだ。
わたしはコトバで生きていく。
そんなこと、とっくに決まっていたのに。
ちいさなサイトやささやかな本で、狭い世界でひっそりと
偶然に見つけてくれた僅かな優しい人たちに囲まれて、
それで表現したつもりになっていた。
発信しつづけているつもりになっていた。
交信したつもりになっていた。
わたしは何をやっていたのだろう。
表現をする。
逃げないで真っ正面から表現をする。
覚悟を決める。
わたしはコトバで生きていく。
そのための道をちゃんと探す。
そう、いま、この瞬間から。
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