映画[es]をみた。
1000円デーの最終上映に滑り込んだので立見だったのだが、本編が始まるとそれがまったく気にならないほどスリリングでスピード感に溢れた世界がそこにはあった。
映像がスタイリッシュで感覚的にリアルで引き込まれる。
気がつくと苛酷な状況を共時的に体験しているのだ。
わたしはどこまで自分を保っていられるだろう、そんなことすらあやふやになる。
映画自体は、実際に行われた心理学の実験を下敷きにしたサイコサスペンス。
アメリカではその事件はまだ訴訟中で、その関係で映画もまだ公開できないらしい。
その実験は、物議をかもし出し、現在は禁止されているという、
「監獄実験」というもの。
新聞広告で集めた被験者をコンピュータで囚人役と看守役の二組に分け、
「監獄」という特殊環境におき、その精神的圧力のもと、
普通の人間がどのような役割を演じ始めるか、という実験。
集まった被験者たちは情緒的にも特に問題の見られない、
いわゆる一般的な「市民」なのだが、
実験が進むにつれ、その過酷な状況下での精神的圧力から、
普段とは違った行動、心的活動を見せ始める、という話。
それが疾走感のある映像と音楽で展開されていくと、
なんだか必要以上に臨場感が出るのだ。自分もその状況に投げ込まれたような状態になる。
そんな体験。
それを面白い、と思ってしまう自分にちょっと怖さすら覚える。
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