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享楽的繁栄の残り香と壮大なる野望①


国立劇場に「ワーニャ伯父さん」を観に行った。先週からチェーホフ漬け(笑)。
熱が高く、一旦は断念しようかと思ったくらいだったので、眠ってしまうんぢゃないかと心配したのだけど、面白かった。無理して行った甲斐があった。

「ワーニャ伯父さん」は好きな話だ。
チェーホフの世界観はかなり好き。退廃的な倦んだ空気。
チェーホフに限らず、ヨーロッパの世紀末の、あのどうしようもない感じはもろにツボなのだ。世紀末といっても、この場合、19世紀末のこと。
決して明るくない未来を直視せず、今の繁栄だけを享受しようとする感じ。
でもそれは、20世紀の歴史を知っているものからの意見。
当時を生きた人々は、どんな認識を持っていたのだろう。
そう考えるだけで熱くなってしまう。

実は、「ワーニャ伯父さん」は前にロシアの劇団のものをビデオで観たことがある。そちらも面白かった。
わたしの大好きな、倦んだ空気感を前面に押し出したかんじで、とにかく退屈ですることが無くて、全てを持て余していて。
ともすれば眠ってしまいそうな、なのに、確かにそこに人が生きている、そんなちぐはぐな印象の舞台で、不思議と心に残っている。

それに較べて、今回の舞台は、比較的テンポや歯切れが良かった。「ワーニャ伯父さん」がこんなにテンポよくみせられるものだとは。
全体の空気感よりは、断片を鮮やかに切りとってみせることで個々の人間の可笑しみのようなものに焦点を当てたかんじ。

演出でここまで違う描き方ができるのだ。
こういう幅が、舞台のチーズ味(醍醐味)なのだと思う。

でも、どちらにも共通すること。
ばあやには凄みがある。
何もいわなくても存在感をひしひしと感じる。口を開けば、鳥肌が立つ。年齢+経験の、あの重み!
決して優しいだけではない、すべてを経験し、すべてを達観している感じ。
あの感じはやっぱり若い人ではどう足掻いたって無理だ。
かといって、単に年を取るだけでも駄目なのだと思う。
わたしが長生きしたとして、ああいう風になれるだろうか。そんなことを思う。
 
ここまでが、舞台の感想。ここからはちょっと野望のお話を(^_-)→②へ。
 
 

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