歯医者さんで不思議に思っていたこと。

あの、口を濯ぐ水。
正確を期するなら水というよりあの装置。
口を濯いで置いたり、ちょうど濯ぐために椅子が起きたり、そういったタイミングでうまい具合に紙コップを満たしてくれる。

生まれてこの方、歯科医院でのうがいの経験は数知れず、あれのことがずっとなんだかなんだか気になっていた。あまりにいいタイミングで水を注いでくれるのだもの。
それに、毎回きちんと上まで満たしてくれる。しかも決して溢れない。うがいで毎回コップが空になるわけでもないのに、不思議。

そんなに大っぴらにではなく、意識の奥底。それも正面切ってではなく、隠れた感じ。カップのヨーグルトを食べるとき、剥がした蓋の裏に微妙についている、あんなかんじ。歯医者でうがいをするときになって、いつも僅かに意識化される程度。

思いきって訊いてみた。
「ずーーっときになってたんですけど、椅子を起こすのと連動してて、それで
 やっぱりセンサーかなにかあって紙コップの中の水の重さを図ってるんですか? それでタイミングも量もちょうどよく入るの?」


歯科衛生技師さんはきょとんとして、
わたしと、わたしが指差しているうがい用の紙コップを見較べ、
唐突に笑い出した。

「そんなこと考えて気になってたんだ~、そんなハイテクじゃないわよ。
 私が、ここで、いちいち操作してるのよ。
 あはは、ガッカリした?」


別にがっかりはしないけれど、愕いた。
歯科衛生技師さんって涼しいカオしてそんなことしてたのね、というかんじ。
今まで見事に騙されてましたわ。

でも、思いきって聞いて良かった~。これでまた、世界の真実をひとつ知ってしまった。