本番使う劇場を借りて早朝から仕込み作業。
そして夕方通しをやったのだが、本当に無理矢理で最悪だった。
もう直前だというのに、ここへ来てマリアの着替えが沢山増えて、
衣装係はもちろん、私本人でさえうまく把握できていない状態だったからだ。
はっきり言って通しができるような段階に達していないのだ。
正直、やりたくなかった。それでもやらなくちゃいけなくて、無理矢理やった。
当然ながら、もうどうしようもなく、すべてが厭になる程に最悪だった。

だけど、きっとよかったと思う。
混乱したり焦ったりして足りない部分がわかったから。
そこを埋めない限り、このままじゃ舞台に立てない。
そして、本来ないはずの、明日というインターバルに感謝。
あれが本番だったら、私はきっと・・・浮かばれない(笑)。

舞台にいるのはすごく楽しかった。けれど、裏があまりに大変でダメダメで、
マリアじゃなかったら(私自身のテンションのままだったら)
きっと途中で泣いたか、自棄になって投げ出したくなったか、してただろう。
ほんとにやばかった・・・。
一人じゃ無理なのもわかってるけど、どうしようもなくて一人でやっていて
結果として、周りにも迷惑をかけた。
明日中に全部の着替えや転換を整理して手伝ってもらう人まで決めてしまおう。
本番で演技以外のことでバタバタ焦ったりはしたくない。
それで芝居に集中できないのだけはなんとしても避けなきゃ。


だけど、舞台袖が辛かった分、舞台上で家族と関わるのがやたら幸せだった。
・・・それも現実逃避っぽくて変だけど、でもほんとに。

舞台袖でいっぱい混乱して焦って泣きそうになって、
だけど、舞台に出た瞬間に楽しくて暖かくて、どういうわけか自分も元気で、
そんな自分にホッとして。
それを繰り返してた。
役者倉沢翠の部分が、マリアに引きずられて、何とか保っていた感じ。

だけど本番は、あれじゃいやだな・・・。
マリアとしては幸せで楽しかったのに、倉沢翠はボロボロだなんて・・・。

マリアに助けられて何とか乗り切るんじゃなくて、
役者としての倉沢翠がマリアを統制して舞台の上で生きたい。

せっかくの初舞台なんだから、私自身も楽しみたい。

自分のためにお客さんのために、精一杯楽しんでできることをやろう!
帰って、私自身に戻って大泣きして、それだけは固く心に誓う。

マリアには負けない!